
任意売却は、住宅ローン返済に苦しむ持ち家所有者にとって、最後の手段として検討されることが多い方法です。
物件の状況や債権者の意向など、いくつかの要因によって任意売却が難しいケースが存在します。
また、任意売却を検討する際には、いくつかの注意点も踏まえておく必要があります。
本記事では、任意売却が難しいケースや、任意売却を検討する際の注意点を詳しく解説します。
任意売却が難しい5つのケース
債権者の同意が得られない場合は、任意売却ができません。
例えば、「ローンを借りて日が浅い場合」や「売却後のローン残高が多いと判断される場合」は、債権者から同意を得ることが難しくなります。
「ローンを借りて日が浅い」と判断される基準は、一般的に2〜3年と言われています。
また、契約の段階で「原則、任意売却は認めない」と契約書に記載する金融機関もありますので、契約書をよく確認しましょう。
所有者全員の同意が得られない場合にも任意売却はできません。
所有者の親族(両親や配偶者)と不動産を共有している場合は、任意売却の同意を得ることは難しくないでしょう。
しかし、親族以外の人と不動産を複数人で共有している場合には注意が必要です。
親族以外の所有権共有者がいる場合だと、他の共有者を納得させるだけの理由が必要になります。
3:物件にトラブルがある・建築基準法に違反している
物件にトラブルがあったり、建築基準法に違反している物件などが該当します。
具体的な例として、「容積率・建ぺい率のオーバー」などが挙げられます。
容積率や建ぺい率がオーバーしている事例に関しては、新築時には問題なかったが、増築時に違法建築になってしまったというケースがあります。
買い手希望者が内覧できない場合も、任意売却が難しくなります。
例えば、物件が賃貸中であったり、所有者が住んでいる場合など、買い手希望者が内覧できない状況が考えられます。
買い手は、実際に物件を見てから購入を決めることが多いので、内覧できない物件は、買い手が見つかりにくくなります。
物件の立地や築年数、間取りなど、さまざまな要因によって、買い手が見つからないケースもあります。
特に、築年数が古かったり、立地が悪かったり、間取りが特殊な物件は、買い手が見つかりにくくなります。
買い手が見つからない場合は、売却価格を下げるなどの対策が必要になります。
任意売却を検討する際の注意点
まず、任意売却は競売と並行して進行する場合が多いです。
単に任意売却に着手しただけでは、競売の手続きは止まりません。
物件を担保としている債権者は、原則として競売によって物件を現金化します。
所有者から任意売却の申し出があった場合、応じてくれることも多いですが、任意売却で売れない可能性も考慮し、競売の手続きも継続させます。
期日までに買い手が見つからなければ競売で売却されるため、注意してください。
勘違いされている方もいらっしゃるようですが、「任意売却完了=債務の完済」ではありません。
そもそも、任意売却は「残債が家の売却価格より大きい場合」に取れる手段です。
任意売却には、競売に比べて時間がかかる場合が多いです。
また、任意売却を進めるには、不動産会社や弁護士などの専門家の費用がかかります。
これらの費用は、事前に見積もっておくことが重要です。
まとめ
任意売却は、住宅ローン返済が困難になった場合に有効な手段ですが、すべてのケースでできるわけではありません。
債権者の同意が得られない、所有者全員の同意が得られない、物件にトラブルがあるなど、いくつかの要因によって任意売却が難しいケースが存在します。
また、任意売却は、競売と並行して進められることが多く、完了後も債務が残る場合があるなど、いくつかの注意点があります。
任意売却を検討する際には、これらの難しいケースや注意点を理解した上で、専門家と相談し、慎重に進めることが大切です。