空き家を売却する際に、税金のこと、特に控除制度について不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
売却益が出た場合、譲渡所得税がかかりますが、いくつかの控除制度を利用することで税負担を軽減できる可能性があります。
今回は、空き家売却にかかる税金と、適用可能な控除制度について、具体的な計算方法や手続きなどを含めてご紹介します。
特に高齢者の方にとって、空き家売却は大きな決断となるため、税金面での不安を解消し、安心して売却を進められるようサポートします。
複雑な税金計算も、できる限り分かりやすく解説していきますので、最後までお読みください。

空き家の売却にかかる税金 控除のすべてを徹底解説
譲渡所得税の計算方法を理解する
空き家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税は、売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いた利益に対して課税されます。
取得費には、購入時の費用(土地・建物)、仲介手数料、印紙代、不動産取得税などが含まれます。
建物の取得費は、築年数に応じて減価償却を考慮する必要があります。
譲渡費用には、売却にかかった仲介手数料、印紙代、解体費用などが含まれます。
所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率が異なります。
長期譲渡所得の税率は、所得税と住民税を合わせて約20%前後、短期譲渡所得は約40%前後です。
相続した空き家の場合、相続前の所有期間も考慮されます。
取得費が不明な場合は、売却金額の5%を取得費として計算することもできます。
取得費と譲渡費用の内訳
取得費と譲渡費用を正確に算出することは、譲渡所得税の計算において非常に重要です。
取得費、特に建物の取得費の算出は複雑な場合があります。
購入時の契約書がない場合、固定資産税評価額や標準建築単価などを参考に算出する必要があります。
不明な点がある場合は、税理士などの専門家への相談をおすすめします。
所有期間による税率の違い
譲渡所得税の税率は、空き家の所有期間によって大きく異なります。
・所有期間5年以下:短期譲渡所得(税率は約40%)
所有期間は、売却した年の1月1日時点での所有期間で判断されます。
相続した場合、相続前の所有期間も考慮されますので注意が必要です。
税率の違いは非常に大きいため、売却前に所有期間を確認し、税金対策を検討することが重要です。
税金計算の注意点とよくある質問
・取得費の算出:購入時の契約書を保管しておきましょう。
契約書がない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。
・譲渡費用の計上:売却にかかった費用のみを計上できます。
・所有期間の確認:売却日の1月1日時点の所有期間で税率が決まります。
A:できますが、複雑な場合は税理士に依頼することをおすすめします。
空き家売却における税制優遇措置の活用
3000万円の特別控除の適用要件と手続き
一定の条件を満たすことで、譲渡所得から3000万円を控除できる「3000万円の特別控除」があります。
この控除を利用することで、譲渡所得税を大幅に軽減できる可能性があります。
・相続開始直前まで被相続人以外が居住していなかったこと
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
相続空き家の3000万円特別控除の適用要件と手続き
相続した空き家については、「相続空き家の3000万円特別控除」が適用できる場合があります。
この控除も、3000万円の特別控除と同様に、譲渡所得から3000万円を控除できますが、適用条件が異なります。
・相続開始から3年以内の売却であること(2027年12月31日まで)
その他の控除制度との併用可能性
ただし、併用できる控除制度とできない控除制度があります。
税制優遇を活用するための準備と注意点
また、適用条件をよく確認し、条件を満たしていない場合は、控除が受けられない可能性があります。
不明な点は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
空き家売却には譲渡所得税がかかりますが、取得費と譲渡費用を正確に計算することで税負担を軽減できます。
所有期間が税率に影響するため、売却前に確認が必要です。
「3000万円の特別控除」や「相続空き家の3000万円特別控除」などの税制優遇制度を活用することで、税負担をさらに軽減できる可能性があります。
これらの制度の適用条件や手続きは複雑なため、税理士などの専門家への相談がおすすめです。
安心して売却を進めるためには、税金に関する知識を深め、適切な手続きを行うことが重要です。
この記事が、皆様の空き家売却の参考になれば幸いです。