共有物分割の要件と手順とは?法的な視点での実践的アドバイス

query_builder 2024/01/19
不動産売却豆知識
共有物分割の要件と手順とは?法的な視点での実践的アドバイス


共有物の分割は、多くの人にとって複雑で煩わしいプロセスです。
特に、相続や不動産取引における共有物の扱いに直面したとき、どのように進めるべきか、迷うことがあるのではないでしょうか。
この記事では、共有物分割の基本概念、法的要件、手続きの流れについて、わかりやすく解説します。


□共有物分割の基礎知識とは?定義と一般的なケース


そもそも共有物分割とは、複数人で共有している不動産などの共有物の共有状態を解消する手続きのことを指します。
例えば、父親名義の土地・建物を相続する際に、法定相続人が共有名義にするケースがあります。
また、夫婦が共有名義で不動産を購入する場合もあります。

共有物は、共有者がその状態で持ち続けることも可能ですが、共有状態には制限が伴います。
具体的には以下のような制限があります。

1:保存行為
共有物を修理・補修するなどの行為は、各共有者が単独で行えます(民法第252条)。

2:管理行為
共有物の賃貸借契約を結ぶときなどは、共有者の過半数の同意が必要です(民法第252条)。

3:変更行為
共有物を増築・分筆・売買する場合は、共有者全員の同意が必要です(民法第251条)。

共有物の売却を希望する場合、共有者の一人だけでは行えないことが多く、共有者の持分のみを売ることは現実的ではありません。
このような共有状態を解消するために、民法では、各共有者に共有物分割請求権が認められています(民法第256条1項)。

□共有物分割請求の法的要件とプロセス


共有物分割請求を行うためには、いくつかの法的要件とプロセスが存在します。
共有者として不動産の権利を有していても、いきなり訴訟を起こすことは基本的にできません。
訴訟を申し立てるためには、以下のステップを踏む必要があります。

*協議を行う


共有者間で共有物分割の協議を行うことが必要です。
この協議は電話やメールなどで行っても構いませんが、内容を証明できる必要があります。

*協議が成立しない場合


協議が調わない場合、共有物分割請求訴訟を起こせます。
ただし、協議が行われなかったことを証明する必要があります。

共有物分割請求訴訟では、共有者の間で折り合いがつかないときに、裁判所に介入を求められます。
裁判所は、共有物の現物分割、共有者に債務を負担させる方法、競売を命ずることなど、複数の方法で分割を行います。

□まとめ


共有物の分割は、共有者間の合意が必要な複雑なプロセスです。
基本的な知識を身につけ、法的要件とプロセスを理解することで、共有物分割をスムーズに進められるでしょう。
この記事では、共有物分割の基礎知識と法的要件、プロセスについて解説しました。
この情報が、共有物分割に直面する皆さんの支援になれば幸いです。


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